日々の生活

ピースサインとTPO

昨日のこと。息子の校外学習の写真を申し込もうと撮影業者のサイトにアクセスしたら、「顔認証機能」なるものがあった。ほんの数秒で全写真の中から息子が写っているものだけを表示してくれて、びっくり。何年か前までは教室や廊下に掲示された写真を見るた…

「本にカバーはおかけしますか?」

通勤電車で、斜向かいに座っている女性に目が留まった。スマホを見つめている人がずらり横一列に並ぶ中、彼女だけが本を読んでおり、さらにそのブックカバーがレトロな雰囲気でおしゃれだったのだ。店名らしきものが英語で書かれているが、読み取れない。ど…

熟年再婚

同僚のA子さんは車通勤であるが、夜勤のときは夫が送り迎えをしている。「自分で行くからいいって言っても、帰りに眠くなったらどうするんだってきかないんだよね」と彼女が言うと、「愛されてるなあ!」「だんなさん、なんでそんなに優しいの」と声があがっ…

子どもが友人宅に泊まるとき、相手の親に連絡しますか。

「それもあって、ちょっともやもやしちゃって。私の心が狭いのかな」と同僚が言う。夏休みに彼女の息子の友だち二人が泊まりがけで遊びに来たという。その日彼女は夜勤明けであれこれ料理を作る暇も体力もなかったため、夕食はカレーにしようと思っていた。…

漫画コンプレックス

ふだんスマホをほとんど使わない私であるが、最近アプリで漫画を読む楽しみを知った……という話を少し前に書いた。『ドラゴン桜』を読み終わり、いま読んでいるのは『静かなるドン』だ。表の顔は女性物の下着メーカーに勤めるさえないデザイナー、その正体は…

ペットの幸せってなんだろう。

同僚のスマホの待ち受け画像は家で飼っているトイプードルだ。ペットショップのショーケースに、でかでかと「SALE!」と書かれた紙が貼られている犬がいた。ほかの子よりひと回り体が大きい。元の値段の半分にまでなっているのを見て、彼女は「これでも買い…

正しく読む。

ふだんからスマホをあまり使わない私であるが、最近、ちょっとした楽しみを見つけた。漫画アプリで漫画を読むことだ。いま読んでいるのは『ドラゴン桜』。経営破綻状態となった私立龍山高校の運営問題を請け負うことになった弁護士・桜木建二は、学校再建の…

推敲の沼

その記事に三つ目の誤字を見つけたとき、指が自動的にブラウザの閉じるボタンを押していた。ネットニュースを読んでいると、ときどきこういうことがある。どこよりも早くアップしようと、タイトなスケジュールで書かれたのだろう。しかし、文脈から正しい変…

大人になって夢を追う

このところ、芸能人が大学や大学院に入学したという話題をネットニュースでよく見かける。高校を卒業して就職する人より進学する人のほうが圧倒的に多いから、鈴木福くんや本田望結さんがどこそこ大学に入学と聞いてもへえと思うくらいだが(芦田愛菜さんは…

愛か、罰か。

同僚の話である。あるファミリーレストランの宅配サービスを利用したら、うちの一品に小さな虫が入っていた。公式サイトの問い合わせフォームから写真を送ったところ、すぐに電話がかかってきた。商品の回収に行ってもよいかと訊かれ、すでに処分したと伝え…

「ヴィーガン(完全菜食主義者)」という生き方

昆虫食についてのテキストを書いたら、元同僚のことを思い出した。 彼女は私が人生で初めて出会ったベジタリアンで、卵や乳製品も摂らないヴィーガン(完全菜食主義者)である。私はそれまで、菜食生活をしている人たちが肉や魚を口にしないのは美容や健康の…

「昆虫を食べる」について考えた

入浴介助を終えてナースステーションに戻ってきたら、何人かが集まってなにやら騒いでいる。どうしたのかと思ったら、床に大きなクモが一匹……とその後ろから虫駆除スプレーを構える同僚が。「えっ、クモは益虫だから殺しちゃだめって言わない?人にはなんに…

デートでのお会計作法と割り勘がつらい場面

デート代、なんで男が払わなくちゃいけないのって言葉 女性はそのデートのために準備して洋服、メイク、美容代も入ってると思う 全部安くない。リップだってブランドなら4000円はする 可愛いって言って欲しくて、そのためにすごく早起きして準備してる それ…

考え方のクセとメンタルの保ち方

夜勤で午後に出勤したら、待ってましたという感じで仲良しの同僚がやってきた。「〇〇さん、異動だって」今朝の朝礼で発表があったらしい。循環器病棟で退職者が出て、さらにもうすぐ産休に入るスタッフがいるという話は聞いていたから、どこかの病棟から補…

テレビドラマとリアリティ

若い同僚が新ドラマ『夕暮れに、手をつなぐ』の視聴をギブアップしたという。彼女はヒロインと同じ九州の地方出身なのだが、その方言が聞くに堪えなかったらしい。同じドラマを見ている別の同僚が、「あなたも地元の友だちとしゃべるときは、自分のことを『…

テレビの中の人

新型コロナ第八波の真っ只中、スタッフにも陽性者が次々に出て、年末年始の病棟は目が回るほどの忙しさだった。でもなんとか乗り切ったね、ほんとがんばったよね、とみなでねぎらい合っていたら、ひとりが言った。「私、退職したら毎年お正月はハワイで過ご…

やらずの後悔

読売新聞の「小町拝見」欄で、タレントの光浦靖子さんのコラムを読んだ。三十代の頃、「いい歳してみっともない」と思われるのが怖くて恋愛に踏み込めなかったが、四十代になったときに「三十代なんて“いい歳”ではなかった」と気づいた。そして五十代のいま…

〆切りというもの。

私は作家のエッセイを好んで読む。で、誰のエッセイでもお目にかかるのが「〆切りが迫っているのに、どうしても書けない」という話だ。あるとき、林真理子さんはある有名歌手からヒップホップの作詞を依頼された。「メロディを口ずさめば詞は浮かんでくるだ…

金魚すくいの哀れ

仕事の行き帰りに通りかかるマンションには小さな池がある。直径五、六メートルの人工の水場だ。昨日もいつものようにその横を通り過ぎようとしたら、年配の男性が柵から身を乗り出すようにして水面を眺めているのに気がついた。なにを見ているんだろうと目…

LINEが既読にならなくて

お昼のマクドナルドに入ったら、近くの大学の学生と思しき女の子たちの会話が聞こえてきた。「既読無視のほうがまだましだよ、『返事がないのが返事なんだな』ってあきらめがつくもん」「わかる。未読のままだと『忙しいのかな』とか『スマホが壊れたのかも…

箱パカプロポーズ!

カンファレンスから戻ると、待ってましたとばかりに一年生看護師から声がかかった。「○号室のAさん、明日オペなんですけど、指輪が抜けないんです。石鹸でもぜんぜんダメで」手術中は体がむくみやすい状態にあるため、指輪がきつくなって指先の血行障害が長…

書き手が性別を明かさない理由

ひょんなことから、『鬼滅の刃』の作者が女性であると知った。えっ、あのペンネームで?と驚いて、さっそく漫画好きの同僚に話したところ、「そうだよ。知らなかったの?」とこともなげに言う。「吾峠呼世晴」という名前を見て、「あら、女性なのね」と思う人…

それの正しい使い方

駅のトイレで、化粧直しをしていた女性ふたり組の会話が聞こえてきた。「前から謎やってんけど、多目的トイレにある大きな洗面台みたいなの、あれは何なん?」「ああ、あの便器の隣にあるやつね」 オストメイトのための汚物流し台のことだろう。オストメイト…

これより先はレッドゾーン

仕事が休みの日に家や子どものことで予定が詰まっていると、ひとり暮らしの頃を思い出して、「二十四時間を自分のためだけに使えるって、なんてぜいたくだったんだろう」と思うことがあった。自分だけなら、おなかが空かなければごはんはつくらなくていい。…

大人がなりたい職業

ショッピングモールのイベント広場に幼稚園児が書いた七夕の短冊がたくさん飾られていた。「アイスクリームになりたい」(「屋さん」が抜けているのかな?)「すみっコぐらしのとんかつになりたい」「いもうとになれますように」幼い子どもの願い事は本当に…

定年退職したら、したいこと

四、五十代となると、定年退職後の生活を想像することがあるという人は少なくない。昼の休憩室で、同年代の同僚と「定年になったら、なにがしたいか」というテーマで盛り上がった。「老後は好きなだけゲームをする。認知症予防にもなるし」と誰かが言ったら…

大食いと恋のチャレンジ

ひさしぶりに御座候を買って帰ったら、包みの中に紙が一枚入っていた。公募した御座候にまつわるエッセイの中から選ばれた一編が掲載されており、年配の男性が大学生だった頃の思い出をつづったものだった。御座候によく似た大判焼の店があり、十個食べると…

男性の前開き事情

年下の同僚が「最近、だんなが怪しいんですよね」と言う。彼女のシフトをやたらと気にし、夜勤の日にはきまって飲みに行くらしい。「でもそれだけじゃあなんとも。“鬼の居ぬ間に洗濯”かもしれないし」「誰が鬼ですか」相手の“匂わせ”では?と思うようなこと…

義理読み無用

同僚が休日に京都に行ってきたという。風情のある街並みを散策しながら、「せっかく来たんだから京都らしい店で食べようよ」ということになり、町家造りの小料理屋風の店の暖簾をくぐった。落ちついた雰囲気に「高かったらどうしよう」と話しながらふと見る…

キラキラの記憶

先日、作家の林真理子さんが日本大学の次期理事長に決まったというニュースが流れた。前理事長による脱税事件などの不祥事を受け、七月から新体制を発足するにあたっての人事であるが、林さんは二〇一八年に日大アメフト部の悪質タックル問題が起きたときか…